ペット・赤ちゃん・纏足・ウェディングドレス

はじめまして、ゆです。

f:id:phosantarclapis:20201221180700j:plain

photo by yu

 

猫を飼いたいんですけど、今の賃貸はペット不可なのでペット可のマンションに引っ越したいです。

可愛いですよね猫。犬も可愛い。ペットって可愛いですよね。

そんな話しを他人にすると「独身でペットなんて飼ったら終わりだぞ!」なんて言われますが、むしろそれ以上のハッピーエンドなんてあるのでしょうか。

 

ところで今回書かせていただくのは、犬や猫などのペットたちにとって「可愛いは作れる!(3万年以上かかったけど)」…というお話しです。

  

歴史的にみると、ペットの王様である犬や猫って「人間から可愛いと思われることを目指して進化した生き物」なんですよね。

ダーウィン進化論に従えば「人間から可愛いと思われたから子孫を残せた生き物」と言った方が正しいかもしれませんが、この表現の違いについてはまた別の話しとしましょう。

1億2千万年以上の月日の中で、地球の覇者となった人間の持つ「可愛い」という感情を追求した結果、犬や猫のペットとしての今の繁栄があるわけです。

ここでご理解していただきたいことは、ペットが人間にとって「可愛い」のは完全なる偶然ではなく、相互の関係性の中で好都合に導かれた結果ということです。

人間はペットの可愛さに癒され、ペットは人間から食住(たまに衣)を得るというウィンウィンでフェアな関係性なんです。

f:id:phosantarclapis:20201221180831j:plain

photo by yu

そもそも「可愛い」ってどんな感情なんでしょうか。

ペット以外で可愛い対象と言えば何といっても赤ちゃんでしょう。

赤ちゃんの可愛さの秘訣と言えば「か弱く無防備で依存的」であることが挙げられます。(優しく守ってあげたい…)という気持ちになりますよね。それから、赤ちゃんの笑顔にはビックバン級の癒し効果があります。

赤ちゃんを守ることは人間に限らず全ての生き物の子孫繫栄における絶対条件であり、人間が赤ちゃんに抱く「可愛い」という感情は、人間にとって合理的な行動を好都合にも導いてくれます。

結果として人間と赤ちゃんは「可愛い」によってウィンウィンでフェアな関係性を構築できるのです。

赤ちゃんにとって「可愛さ」は生存戦略上唯一かつ究極の武器なんです。

 

この赤ちゃんに対する「可愛い」が、赤ちゃん以外に向けられる「可愛い」の原点なんだと僕は考えています。

赤ちゃんのもつ可愛さを真似た結果がペットであり、赤ちゃんはペットの師匠に当たりますね。

 

f:id:phosantarclapis:20201221182229p:plain

この、「可愛い」という感情の興味深いところは「打算的で好都合であるはずの思惑が生理的本能的感情の中に溶け込んでいく」という点です。そしてそれは、人間の歴史の中で時に特殊な風習を生み出しました。

 

一つ目の例は「纏足(てんそく)」です。

小さい足の女性がモテるから足の骨を砕いたりして無理やり小さくするという結構グロテスクな風習で、グロ耐性がある方はネットで画像検索してみてください。

主に中国で古くから存在する風習であり、今でも70歳以上の一部高齢者に纏足の女性がいるらしいです。

不健康不衛生で苦痛を伴うにも関わらずこのような風習が生まれてしまったのは、まさに「可愛い」のせいです。

多くの男性が小さい足の女性を「可愛い」と感じて好み、多くの女性が「可愛い」纏足に憧れ、骨を砕かれた妻の(あるいは女性が自身の)足に誇りを持ったのです。

 

ここからは僕の予想ですが、纏足が「可愛い」ともてはやされた理由は、赤ちゃんと同じ「か弱く無防備で依存的」という性質を持っていたからと考えられます。

というのも、纏足は歩行機能を低下させ、うまく走ることができなかったらしいのです。自動車がない時代、走れなきゃ逃げられないんです。逃げられないということは家に留まるしか選択肢がないということで、家主に依存的になります。家主にとって、自分から逃げられず自分に頼って生きるしかない女性を「可愛い」と感じるのは、まさに「か弱く無防備で依存的」な赤ちゃんやペットに対する「可愛い」と同じです。

 

これを読んで「やっぱり男ってサイテーね!」って感じた方、ちょっと待ってください。二点、注目して欲しいことがあります。

①纏足を好む男性の思考は「可愛いから」であって「歩きづらいと支配できるから」ではなかった可能性があること

②女性も「歩きづらく支配される」ことは考えず、ただただ「可愛いから」自ら纏足を望んでいた可能性があること

つまり、打算的で好都合であるはずの思惑が生理的本能的感情の中に溶け込んでしまい、本来の理由を理解しないまま行動してしまっているということです。

極悪非道な男性が、嫌がり抵抗する女性を縛り上げて足を無理やり砕いたわけじゃないんです。

(いやいやいや「可愛い」のために足の骨砕くとか流石に現実味沸かないわ!)って思うあなたに、もう一つの例を紹介します。

プロポーズされたらゼクシィみんなの憧れ、ウェディングドレスです。

 

f:id:phosantarclapis:20201221181022j:plain

photo by yu

ウェディングドレスが「可愛い」ことを否定する人は男女共に少ないでしょう。

でもこれ…歩きづらくないですか?

逃げようと思っても長~~い裾を誰かに踏まれたら転んじゃいますよね。

信じるか信じないかは

 

以上です。